2020/10/07(水)2020-10-07 今日のネット 日記 twitterである意味すごい裁判例を教えてもらった。 知財高裁 令和2年(ネ)第10018号 https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=89748 興味ある人は、上のリンクから判決全文を見て欲しい。とりあえず裁判所の判断のうち興味深いものをまとめてみた。 漫画の「キャラクター」は、それ自身は漫画の具体的表現から昇華した登場人物の人格ともいうべき抽象的概念であって,具体的表現そのものではなく,それ自体が思想又は感情を創作的に表現したものとはいえないから,著作物に当たらない(最高裁判例あり)。そのため、二次創作のキャラクターが原著作物のキャラクターと同一又は類似であっても、それだけでは著作権侵害にならない。 ※具体的な表現を保護するという、著作権法の原則にあった判断ではないかと。 シリーズもののアニメからの二次創作でも、新たに付与した創作的部分には二次創作者の著作権が発生し、原著作物と共通しその実質を同じくする部分には生じない(最高裁判例あり)。そのため、シリーズもののアニメに対する著作権侵害を主張する場合には,そのアニメのどのシーンの著作権侵害を主張するのかを特定するとともに,そのシーンがアニメの続行部分に当たる場合には,その続行部分において新たに付与された創作的部分を特定する必要がある。 ※まずは新規に作った部分を特定しないと、その部分が著作権侵害かどうか判断できないという、ある意味当たり前な話ですね。 二次創作が原著作物に対する著作権侵害をしていようがいまいが、二次的著作権が成立しうる部分に基づき著作権侵害を主張し損害賠償等を求めることは、権利の濫用にはならない。 たとえ二次創作物がわいせつ文書であっても、二次創作物に基づく著作権侵害を主張し損害賠償を求めることが権利の濫用にはならないし、損害賠償請求を認めることが公序良俗に違反するとは言えない。 ※違法コピーをする者がよくやりそうな抗弁をしっかりつぶしていて、小気味よいです。